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ヘップバーン? ヘボン?
ギョエテとは
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 「ギョエテとはおれのことかとゲーテ言い」
 これは明治時代の評論家、斉藤緑雨が詠んだ川柳。
 「若きウェルテルの悩み」「ファウスト」などを残したドイツの文豪ゲーテ(Goethe)は、日本で最初に紹介されたときカナでの表記が安定せず、「ギョエテ」「ゲョエテ」 「グーテ」「ギョーツ」「ゴエテ」「ゲエテ」などゲーテ自身が聞いたら「ギョーツ」としたような表記が数十種類も存在したらしく、これを皮肉ったのがこの川柳。
 まあ、外国の言葉を日本の文字で表すわけだから無理が生じるのは当然だけど、これはお互い様で、「寿司、天麩羅」なんて外人が発音すると、「ハーイ、わたしの名はマイコー。わたしワァ、スーシィとテムプーラがァ、好ーきィでース」なんてことになってしまう。誰なんだ、マイケル。

ヘボンさん
 一方でアルファベットを使って日本語を表記するなんてことも可能で、これがいわゆるローマ字という奴。
 ゲーテ、ギョエテではないけれど、日本語のローマ字表記にもゆらぎがあって、代表的なのが「訓令式」と「ヘボン式」だ。訓令式は小学校で習うやつで、「静かなシャチ」が「Sizukana syati」となる。ヘボン式ではこれが「Shizuka shachi」。
 自分で書いておいて何だが、「静かなシャチ」ってのはいったい何なんだ。「やかましいイルカ」とか、そんなのオルカ。
 ヘボン式は、ヘボンさんが考えた表記だからその名がついているのだけれど、ヘボンさんというのは、江戸時代に来日したアメリカ人のジェームズ・カーティス・ヘボン。寿司と天麩羅が好きだったようです。嘘。ほんとは知らん。
 このヘボンさんの名をアルファベットでつづると「James Curtis Hepburn」となる。
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 「Hepburn」を日本人的にローマ字読みするとどうなるか。
 「ヘップバーン」
 そう、現代でも人気の高いハリウッド女優、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)と同じ姓なのだ。
 ちなみに正確な発音は【he'bəːrn】。「ヘ」にアクセントを置いて、「ヘバン」「ヘバーン」となる。
 「p」「b」はどちらも唇をつぐむ音で、「ぱ」「ば」と声を出せばわかるが、母音のない状態ではまったく同じ口の形になる。だから、「p」は完全に「b」に重なって消えてしまい「ヘバン」となる。缶詰スープで有名なCampbell社が「キャンベル」なのと同様だ。
 明治時代には英語に「書生英語」と「車夫英語」があったのだそうだ。
 書生(学生)は字面で文字を覚えるから、「one」をローマ字読みで「オネ」と覚えた。一方、車夫は耳で覚えるから「ワン」と発音できる。もちろん、実用的なのは車夫英語のほうで、有名な「掘ったイモいじるな」(What time is it now?=「何時ですか」)も車夫英語のひとつと言える。
 つまり、「ヘボン」は音に従った車夫英語、「ヘップバーン」は字面に引っ張られた書生英語ということで、「ヘボン」のほうが原語に近いのですよ。

もうひとりのヘプバーン
 ところで、「ヘプバーン」という女優さんはオードリーより前にもう一人いた。
 キャサリン・ヘプバーン(1907-2003)である。
 オードリー(1929-1993)より22歳年上の女優だ。
 オードリー・ヘプバーンやジェームス・ディーンは別格中の別格で、それ以外の昔の俳優女優はいったいに忘れ去られやすい傾向にあるけれど、このキャサリンさん、オードリーさんより知名度は低いが、オードリーさんを軽く超えてるんじゃないかという凄いキャリアの女優さんなのである。
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 なにしろ、アカデミー主演女優賞12回ノミネート、うち4回受賞している。後にも先にもそんな人はいない。
 何度も映画化されているオルコットの「若草物語」のうち、最初に成功したのがキャサリンがジョー役をやった1933年作品だし(ヴェネツィア国際映画祭女優賞受賞)、現代の「ラブコメ」の原典である戦前「スクリューボール・コメディ」の代表作「フィラデルフィア物語(1940)(のちにグレース・ケリー主演「上流社会(1956)」としてミュージカル・リメイク)」にも主演。名優スペンサー・トレイシーと9本の映画で共演した。今でいうと山口百恵と三浦友和みたいなもんか。って全然「今」じゃないよな。判んない人はお父さんお母さんに訊こうね。

マイ・フェア・レディ
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 キャサリン・ヘプバーンの作品を多く監督したのが、ジョージ・キューカー。「愛の嗚咽(1932)」「若草物語(1933)」「素晴らしき休日(1938)」「フィラデルフィア物語(1940)」「アダム氏とマダム(1949)」など、枚挙にいとまがない。
 ジョージ・キューカー監督は後に、オードリー・ヘプバーンの映画も手掛けている。
 「ローマの休日(1953)」についで有名な「マイ・フェア・レディ(1964)」がそうだ。
 「マイ・フェア・レディ」でオードリーが演じるのはイライザ・ドゥーリトルという娘。顔立ちは整っているが、下品で訛りがひどい花売り娘。このイライザを立派な「レディ」に仕立てようとヒギンズ教授が奮闘するというミュージカルだ。
 後に、同じプロットはジュリア・ロバーツ主演で「プリティ・ウーマン(1990)」として映画化された。こちらは比較的最近のヒット作なので観ている人も多いだろう。
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 オードリー扮するイライザの訛りは相当なもので、私たち日本人が観ても「なんかこの人の発音、変ですわ」と感じるほどだ。ヒギンズ教授の名を呼ぶのが訛って「イギンズ」になる。
 その「イギンズ」教授、発音を矯正するため、「スペインの雨は主に平地に降る」というフレーズをイライザに特訓する。
 訳してしまうと何のことだが判らないが、原語では「The rain in Spain stays mainly in the plain」。イライザが発音すると、「ザ・ライン・イン・スパイン・スタイズ・マインリ・イン・ザ・プライン」になってしまうのであった。最近ではサッカーのベッカムがこういう発音で英語をしゃべっている。なんか、彼の場合わざと強調している気もするけれど。

世の中せまいものです
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 さて、冒頭で紹介したヘボン式ローマ字のヘボンさん、この人とキャサリン・ヘプバーンは実は親戚筋にあたる。オードリーはヨーロッパ出身なのでとくにこの二人とは関係ないようだが、ジョージ・キューカーという監督を軸にふたりのヘプバーンもつながる。なんとなく不思議なもんです。縁というか。
 ちなみに、実際のオードリーがしゃべる英語はとても綺麗な発音だ。さらに彼女は、フランス語、オランダ語、スペイン語、イタリア語にも堪能だったようです。凄い人はすごいね。
 そんなわけで、今回は発音と表記のお話でした。
 またお逢いしましょう。
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