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映画編集長のおススメ映画コラム
雨に濡れても
巷に雨の降るごとく
暗いところで待ち合わせ プレミアム・エディション [DVD]
 今年もじめじめとした梅雨の季節がやってきた。
 外出するのも億劫だという雨の日には、家でDVD鑑賞なんてのもいいかもしれない。
 そんなわけで今回は「雨」にちなんだ映画をご紹介。雨の日にわざわざ雨の映画を観ることもなかろうという気もするけれど、現実の雨音が劇中の雨と重なって、サラウンドシステムを持っていなくてもサラウンドが楽しめるというのも、なかなか乙なもんじゃなかろうか。
殺人の追憶 [DVD]
 さて、映画の中で雨が降るシーンというのはたいてい印象的なものだ。
 実はこれは当たり前のことで、雨のシーンを撮るためには次のどちらかしか方法がない。
 「雨を降らせる装置を使う」
 「雨になるのを待つ」
 どちらも簡単な方法じゃない。そこまでの手間をかけてわざわざ雨を撮影するのだから、作り手の思いが入っているわけだ。
 だから雨のシーンはいきおい印象的なものとなる。
 ところで、映画の中の雨には特徴がある。こういう特徴だ。
七人の侍(2枚組)<普及版> [DVD]
 「小雨は降らない」
 この理由は技術的な制約だ。小雨は写真に写らない。カメラにおさめるためには、大粒の雨がたくさん降ってないといけないのである。
 そういう雨だからこそ、より印象深くなるのかもしれない。
 「天の底が抜けたような雨」「盆をひっくり返したような雨」「篠を束ねるような雨」「車軸を流すような雨」
 大雨を表す日本語は豊かだ。篠笹が束になって降ってくるとか、太い車軸が降ってくるとか、昔の人の見立ては実にすごい。
 たとえば、黒澤明の「七人の侍」(1954)で戦いの場面に降るのは、まさにそんな言葉が当てはまる豪雨だった。

わが心にも雨ぞ降る
雨のニューオリンズ [DVD]
 映画の雨は暗喩だ。
 雨が降っている場面で、ほんとうに雨が降っているのは登場人物の心の中である。
 映画は小説に比べて内面描写が困難なので、メタファーとして現実の雨を見せ、人の心を観客に伝える。
 この例で思いつくのが近作では、「暗いところで待ち合わせ」(2006)で主人公ミチル(田中麗奈)が「おかあさん」と叫ぶシーン。悲痛な叫び声と激しい雨音は、鮮明に記憶に刻まれる。
 韓国の社会派ミステリーの傑作「殺人の追憶」(2003)は、軍事政権時代に実際に発生した連続殺人事件をモデルにしている。
ティファニーで朝食を [DVD]
 この映画では雨が降るたびに殺人が起こるが、劇中でテユン刑事が最後の被害者と無言の対面をし、立ち尽くすシーンに降る雨も忘れがたい。
 古いところでは、ロバート・レッドフォードとナタリー・ウッドが主演した「雨のニューオリンズ」(1966)。私の大好きなテネシー・ウィリアムズの戯曲を映画化したものだが、邦題に反して舞台はニューオリンズでもなければ雨も降らない。ただ、劇中1回だけニューオリンズに雨が降る。このシーンをもってこの邦題をつけた人は慧眼である。
ショーシャンクの空に [DVD]
 ちなみに原題は"This Property Is Condemned"(この不動産は接収された)。差し押さえになった下宿屋を舞台にした回想劇なのである。
 同じく古いところで、オードリー・ヘプバーンの「ティファニーで朝食を」(1961)。ラストシーンで雨の中抱き合うジョージ・ペパードとヘプバーン、それに名なし猫。このシーンの雨はすべてを洗い流す浄化作用の象徴であった。
 「ショーシャンクの空に」(1994)の雨が降るシーンもとても素晴らしかった。ポスターやDVDジャケットにも、この主人公が天に向かって両手を大きく広げ雨を浴びている写真が使われている。このシーンの雨は悲しみの象徴ではなく、自由や解放、生命の暗喩であるところが面白い。

優しく雨ぞ降りしきる
ブレードランナー クロニクル [DVD]
 中には、ずっと雨が降っている映画なんてのもある。
 リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」(1982)がそうだ。主演は「インディ・ジョーンズ」シリーズや「スターウォーズ」シリーズのハンソロで有名なハリソン・フォード。
 この映画では最初から最後まで雨が降っている。そりゃもうずーっと降っている。
 ところがこの作品で1ヶ所だけ雨が止むシーンがある。
 通常の映画とまったく逆なのである。1ヶ所だけ雨を降らして印象付ける代わりに、1ヶ所だけ雨を止ませる。
 とても効果的な演出であった。
Sweet Rain 死神の精度 スタンダード・エディション [DVD]
 余談だが、この映画では意味不明な日本語が幾度となく飛び交う。監督の意図としては無国籍な舞台にしたかったんだろうが、我々日本人にはそれらが聞き取れてしまうので、また別の印象になってしまうのだ。観るとついつい「ふたつで十分ですよ」「勘弁してくださいよ」などと真似してしまうこと請け合い。
 雨だらけの映画、ふたつめはこれだ。ふたつで十分ですよ。勘弁してくださいよ。
 「Sweet Rain 死神の精度」(2008)。
 この映画は変わっている。
 何しろ主人公の職業がこれだ。
 「死神」
 でもって、その死神の名前がこれだ。
 「千葉さん」
 これだけ聞くと、もう頭の中が疑問符でいっぱいになるに違いない。
女と男のいる舗道 [DVD]
 「なに、その映画。死神で千葉さん? 意味わかんない。大丈夫? 頭、平気?」
 まあ、そう言わずに観てほしい作品である。
 千葉さんが人間界に降りてきて死神の仕事をするときはずっと雨。千葉さんは太陽を見たことがない。だけど、この映画でもやっぱり1シーンだけ雨があがる。いい場面だ。
 伊坂幸太郎の連作短篇集「死神の精度」の映画化だが、映画から漏れたエピソードもあるので、ぜひ原作小説も併せて味わいたい。
 雨とは関係ないが、原作ではゴダールの「女と男のいる舗道」(1962)が効果的に使われていた。できればこちらもどうぞ。

蛇の目でお迎え嬉しいな
雨に唄えば 50周年記念版 スペシャル・エディション [DVD]
 楽しい雨もある。ミュージカル「雨に唄えば」(1952)のタイトル・ナンバーのシーンがそうだと言えば、観た人は全員納得してくれるだろう。
 降りしきる雨の中、傘を手にジーン・ケリーが踊りまくる、映画史に残る名場面。
 この雨は装置を使った人口雨だが、フィルムに綺麗に写るように牛乳を混ぜたんだとか。また、そのせいでジーン・ケリーの着ていたスーツが濡れると縮んでしまい、ダンスに苦労したとか。ケリーはリハーサルで風邪をひいてしまい、本番は高熱を出しながら撮ったとか。名場面たらしめる苦労談がいろいろある。
シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]
 ポスターやDVDジャケットに使われているのは、オープニングのショット(ポスターと違い、本篇の傘は三人とも黄色だが)。ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ、ドナルド・オコナーの主役3人が黄色い合羽に身を包んでテーマソングを唄っている可愛いシーケンスだ。
 同じく雨にちなんだミュージカルでは、フランス映画「シェルブールの雨傘」(1964)がある。
 原題の"Les Parapluies de Cherbourg"はヒロイン演じるカトリーヌ・ドヌーブの母が経営する傘屋さんの名前だ。
 だから、直訳するとこうなる。
「シェルブール傘店」
 でもそれではロマンティックじゃない。やっぱり「シェルブールの雨傘」がしっくりくるというわけ。
明日に向って撃て ! [DVD]
 映画の始まりは空から見下ろした雨の路面。人々が傘をさして往来している。上から見た丸い傘が画面を縦横に通り過ぎていく。そこへ横一列に並んだ傘が登場、そしてタイトルがオーバーラップ。
 うわ、説明下手。どうだ、読んでもさっぱりわからんだろう。参ったか。
 まあ、とにかく開始早々のこの場面でいきなり引き込まれてしまう。いわゆる「つかみはOK」というやつだ。この傘が一列に並ぶところ。行進するみたいに整然と現れるわけでもなく、かといってばらばらでもなく、まさに「偶然並んじゃいました」ぐらいのさじ加減でやってくる。これが実にいい。いい、というか初めて見たときの印象を言葉にすると、「びっくりした」。ぜひ見てほしい。
スパイダーマン2
 通常、ミュージカルというのは、普通の会話をしているシーンがあって、要所要所に踊りや歌が入ってくる。ところが、この映画はすべてのセリフが歌になってる。「どうぞ」とか「おやすみ」とかそんなのまで全部唄っている。ミュージカルというよりはオペラに近い演出と言えるだろう。
 雨がまったく降らないシーンで歌われたのが、B.J.トーマスが歌うバート・バカラックの名曲「雨に濡れても」。
 「明日に向って撃て!」(1969)の、自転車に乗る楽しいシーンで使われた。
 後に「スパイダーマン2」(2004)でも使われていたが、こっちはひどくシニカルな場面だった。
 「時計じかけのオレンジ」(1971)で唄われる「雨に唄えば」ほどじゃなかったけど。

やまない雨はない
時計じかけのオレンジ [DVD]
 さて、冒頭で日本語の雨表現を紹介したが、最後に雨にまつわる英語表現をいくつか。
 "for a rainy day"
 直訳すると「雨の日のために」だが、"Save up your money for a rainy day."のように使うと、「万が一に備えて貯金しなさい」ということになる。
 大雨については、日本語とまったく同じ表現がある。
 "It is bucketing down."
 そのまんま「バケツをひっくり返したような雨」。もっとも、バケツは外来語だからこの英語表現のほうがご先祖だろう。
 日本でもかなり知られている表現が次のものだ。
キャッツ&ドッグス 特別版 [DVD]
 "It is raining cats and dogs."
 直訳では「猫と犬みたいに雨が降る」だが、意味は「土砂降り」。
 同じフレーズでも、
 "They fight like cats and dogs."
 となると、日本語では猫の代わりに猿が登場する。すなわち「犬猿の仲」だ。
 この表現は単数・複数に厳しい英語なのに、一人と一人が反目してても"a cat and a dog"にはならず、複数形のまま使う。
 土砂降りではなく、喧嘩のほうは映画にありました。
 「キャッツ&ドッグス」(2001)
 世界征服を企む猫族を犬族が阻止するという、猫好きにはちょっと複雑な心境になるコメディでした。
 それでは今回はこの辺で。
 またお逢いしましょう。
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