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映画編集長のおススメ映画コラム

これぞ和製ミュージカル
ミュージカルは変
風と共に去りぬ(1枚組) [DVD]
 突然だが、日本にもミュージカル映画はある。
 ジャンルによる好き嫌いがあるとするなら、残念なことにミュージカルというのはホラー映画に並んで、かなり敬遠されやすいものではないだろうか。
 なにしろ、いきなり主役が唄いだしたりするわけだ。
 これだけでも異常なのに、ヒロインは動じることがない。それどころか、一緒になって唄いだす。通行人や周りにいる人もコーラスしたり踊ったりする。
 現実の世界で、たとえば道を歩いていて、あなたがだしぬけに歌を唄いだしたら、となりにいる人はどうするだろう。
オズの魔法使 特別版 [DVD]
 あわせて唄ってくれるだろうか。
 そんなことは万に一つもない。
 「あんた馬鹿?」
 「病院いく?」
 ばっさり斬られて終わるだろう。その人との関係そのものまで終わってしまうかもしれない。
 だが、ミュージカルの世界ではこれが許される。ご親切にどこからともなく伴奏だって聴こえてくるではないか。
 この不自然さを受けつけないという人は少なくない。
 アメリカ人みたいに濃い顔の、我々からすれば非日常な人々が演じていてさえこれだ。
駅馬車 [DVD]
 おんなじアジア顔のおんなじ日本人がおんなじ日本語でミュージカルなんてやった日にゃあ、こっぱずかしくって見てられたもんじゃない。
 もしかしたら、ハリウッド製ミュージカルのファンであっても、「日本語のミュージカルなんて」と敬遠するかもしれない。
 それでも日本にはかつてミュージカル映画は存在したし、今後ももしかしたら新作が作られるかもしれない。
 今回は、そんな陽のあたらない和製ミュージカルを紹介しよう。
 和製ミュージカルは、結構とんでもないのだが、そこがまたいいところなのだ。

「鴛鴦」と書いて何とよむ
鴛鴦歌合戦 [DVD]
 和製ミュージカルの草分けとされているのが、「鴛鴦歌合戦」(1939)。
 これで「おしどり歌合戦」と訓む。映画は庶民の娯楽だが、当時の庶民はこんな難しい漢字でも平気だったわけだ。細かく言うとこの映画は「オペレッタ」に分類されるようだが、ミュージカルと言い切ってよいだろう。
 主演は片岡千恵蔵・市川春代。脇を固めるのが、黒澤明の「生きる」(1952)で有名な志村喬と、当時の人気歌手ディック・ミネ。監督は日本映画界の牽引役マキノ一家のマキノ正博。
 舞台は江戸時代。
 浪人ものの片岡千恵蔵をめぐる三角関係を描いた、歌あり踊りありの馬鹿馬鹿しくも愛すべき傑作だ。
生きる<普及版> [DVD]
 なにしろ、ディック・ミネが悪役で「僕はおしゃれな殿様~」なんて能天気な歌を唄う。「生きる」でしみじみ寂しく「ゴンドラの唄」を唄っていた志村喬もここでは「ほーれほれほれ、この茶碗~」などとあくまで陽気だ。
 1939年というと、ハリウッドでは「風と共に去りぬ」、「オズの魔法使」、「駅馬車」という傑作が作られた奇蹟みたいに豊作の年だが、日本でも傑作が誕生していたのだ。
 この年は歴史的に見れば、第二次世界大戦が勃発した年。日本は日中戦争の真っ最中で、太平洋戦争に突っ込んでいく間際。そういう暗い時代にこの底抜けに明るい作品が作られたというのはほんとうにすごいことだ。

「お嬢」の時代
悲しき口笛 [DVD]
 そして時代は変わって戦後。
 手垢のついた言い回しになるが、焼け跡から立ち上がった人々を勇気づけたのは美空ひばりの歌声だったのだ。
 美空ひばりは11歳で歌手デビュー、12歳のとき「悲しき口笛」(1949)で映画初主演を果たし、翌年の「東京キッド」(1950)でも大ヒットをとばした天才少女。
 というのはあくまで後年仕入れた知識であって、実際子供の頃の私にとって美空ひばりとは、大晦日の紅白歌合戦に派手な衣装で登場する「おばちゃん」で「昔の歌手」という印象でしかなかった。
 学生の頃、美空ひばりの訃報に遭ってすら何の感慨もなかった。
東京キッド [DVD]
 私がスターとしての美空ひばりを再認識したのは、「歌え!青春 はりきり娘」(1955)を観たときだ。
 この作品での美空ひばりの役どころは都内を走るバスの車掌さん。観光バスのバスガイドではない。路線バスにまだ車掌がいた時代なのだ。OLではなく「職業婦人」の時代だ。
 彼女は美空ひばりにそっくり(そりゃそうだ)。違いは二つだけ。右の頬におおきなほくろ(つけぼくろをしているのだ)があることと、歌がまるで下手なこと。仕事仲間からは「びばりちゃん」と呼ばれている。「ひばり」に点(ほくろ)をつけるから「びばり」というわけだ。
 この映画では美空ひばりは二役で、もう片方は「美空ひばり本人」役で登場する。
歌え!青春 はりきり娘 [DVD]
 「びばり」ちゃんが、ひょんなことから知り合った「ひばり」に直接歌い方を教えてもらい、歌が上手になるという話。
 この天才歌手が音痴の役をするところが実におかしい。劇中で下手な歌を披露する場面があるのだが、ここがなんともいえず可愛い。
 この時代にしては、二人が同じフレームに映る合成がとても自然だ。
 五頭身くらいで(失礼)、顔も大きく(失礼!)、スタイルもよくない(失礼!!)美空ひばりが、この映画では実にいいのだ。ほんとにきらきら輝いている。「スター」というのはこういう人をいうのだろう。
 見慣れた晩年のイメージがどうしても先行してしまい、若い頃の姿を見ても「おばちゃん」にしか見えなかったひばりが、この映画では実に可愛いアイドル・スターに見えたのだ。
 美空ひばりは「お嬢」の愛称で親しまれた。この映画で、当時国民的に愛されていた「お嬢」に私は初めて出逢ったのだった。

元祖三人娘
ジャンケン娘 [DVD]
 「お嬢」と同い歳で、当時人気を博したのが江利チエミと雪村いづみ。
 芸能界で「三人娘」と呼ばれる歌手や女優は多くあるが、なんといっても「ひばり・チエミ・いづみ」が元祖三人娘なのである。
 この三人が最初に共演したのが、「ジャンケン娘」(1955)。ついで、「ロマンス娘」(1956)、「大当り三色娘」(1957)と3年連続で「三人娘シリーズ」が製作された。
 ぽっちゃりしてていちばん元気がいい江利チエミは、セリフを発するとその場を「かっさらっていく」存在感がある。
 小顔で手足が長く、三人の中でいちばん背が高くスタイルもいい雪村いづみは、お嬢さんタイプ。
ロマンス娘 [DVD]
 この二人に挟まれると、いちばん売れっ子だったはずの美空ひばりも霞んでしまいそうだ。
 三人娘シリーズは、とてもハリウッドっぽいミュージカルである。
 歌や踊りのシーンもよく練りこまれているし、三人は文句なしに歌が巧いので、ハリウッド・ミュージカルと比べても全然負ける気がしない。
 物語はどれもこれも典型的な「ボーイ・ミーツ・ガール」もの(主役が三人娘だから「ガールズ・ミート・ボーイズ」?」)で、目新しいところはないが、古典的ミュージカルとはそういうものだ。
 さて、日本語ミュージカルと聞いて、恥ずかしくなるのはおそらく「芸」がない「ミュージカルまがい」を連想するからからだろう。
大当り三色娘 [DVD]
 本物の才能が見せる歌や踊りの「芸」は時代を超えて素晴らしいものなのだ。
 そして、これらの映画にはほんものの「芸」が刻まれている。
 これらの作品では「突然歌いだす」という不自然さを解消する工夫もなされていて、全作品に共通なのが「三人が舞台を見にいく」というくだりだ。
 「舞台の登場人物に自分を重ねあわせ、想像の中で歌い踊る」という流れになっており、自然に曲に入り込めるようになっている。
 「ロマンス娘」では、これがエスカレートして、「日劇に本物の三人娘を見にいく」となっている。
三人よれば [DVD]
 楽屋落ちなのだが、劇中でも主人公たちはひばり・チエミ・いづみにそっくりだということになっており、だから舞台の場面ではそのまま三人娘が「本人たち」として出演(二役?)し、歌い踊る。
 ここでは主人公たち三人がそれぞれ自分をけなし残りの一人を褒めるのがおかしい。
 ややこしいのだが、たとえば美空ひばり演じる「ルミ子」は美空ひばりが嫌いで雪村いづみの大ファンということになっているわけだ。
 ずいぶん経って作られた最終作が「ひばり・チエミ・いづみ 三人よれば」(1964)。女学生やお手伝いを演じていた三人娘もこの頃になると実年齢は20代後半。この作品では美容師やテレビ局勤めなど「キャリア・ウーマン」を演じた。最後は三人とも婚約や結婚をしてハッピーエンド。ほぼ10年にわたる三人娘シリーズの掉尾を飾る作品となった。

狸御殿
七変化狸御殿 [DVD]
 和製ミュージカルの代表作にして異色作という不思議なシリーズがある。
 「狸御殿」シリーズと呼ばれるものだ。
 先に書いた「鴛鴦歌合戦」と同じ1939年に「阿波狸合戦」「文福茶釜」「狸御殿」といきなり3作も公開され、ここから「狸御殿」の歴史は始まった。以来1960年代まで平均すると1、2年に1作は「狸御殿」シリーズのミュージカル(当時は「オペレッタ」と呼ばれたようだが)が製作され続け、その数20数本を数える。
 シリーズといっても、それぞれの話に関連性があるわけではない。
 共通するのはこうだ。
 「主人公たちは全員たぬき」
 何故たぬき。どうしてたぬき。
初春狸御殿 [DVD]
 どうしたことか日本のミュージカルでは狸が主人公というのが王道になっているのだ。
 物語はどれもこれも他愛もないものばかり。ふたつの狸の国の争いだの、狸の国のお姫様に間違われた一介の狸娘だの、狸のやじきた道中だの、とにかく狸たぬき狸なのである。
 物語は江戸時代とおぼしき時代が舞台になっている。
 だから、セットも衣装も時代劇だ。狸のお城があり、狸の侍がいて、着物を着た狸の娘連中がいる。
 踊りや歌も和風だ。
 「三人娘」のハリウッド式ミュージカルと対極にある絢爛豪華な和風ミュージカル、それが「狸御殿」なのである。
花くらべ狸道中 [DVD]
 たいてい主人公のお姫様の名前は「きぬた姫」。「たぬき」をさかさに読んで「きぬた」というわけだ。
 ちなみにお仕えする腰元の名前はたいてい「おはぎ」だったりする。
 長年に亘って作られてきたのだが、出演するのはそれぞれその時代のスターたちだ。
 今でもDVDで観ることができるものを挙げると、まず美空ひばり主演の「七変化狸御殿」(1955)がある。すごいな。1955年だけでいったい何本の映画に出てるんだ、お嬢は。
 それから、「初春狸御殿」(1959)。こちらは「きぬた姫」が若尾文子。勝新太郎と中村玉緒が夫婦で出演している。もっともまだ結婚する前だ。「花くらべ狸道中」(1961)にも若尾文子と勝新太郎が出ている。あとは今や伝説になった市川雷蔵。若尾文子は現在、ソフトバンクのコマーシャルで「犬のお父さん」の母親役をやっているわけで、よくよく動物に縁のある人だ。
オペレッタ 狸御殿 デラックス版 [DVD]
 狸御殿シリーズの最新作は、これは観た人もいるだろうが、「オペレッタ狸御殿」(2005)。「きぬた姫」を演じるのは、シリーズ始まって以来の海外スター、チャン・ツィイー。共演はオダギリジョー。
 この二人目当てに観にいった人は、映画のあまりのぶっ飛びぶりに、椅子から転がり落ちたかもしれない。だが、狸御殿というのはもともとそういうシリーズだったのだ。
 狸御殿はこの作品のおかげで実に66年の歴史を持つ長寿シリーズとなったのである。
 それでは今回はこの辺で。
 またお逢いしましょう。
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